きみに守られて
『約束の場所』
大島優里は進行方向と逆向きで
キョトンと立っている自分に、
途方無く戸惑う。
誰かに手を振っているような
自分の手の平を不思議に見つめる。

「あれ?ナゼ私は逆向きなの?
てか、なに?なにこの気持ちは?
ここっていったいなんなの?」

自分の胸を押させ、
鼓動を確かめる。

優里は天を掴み切る程の
ガッツポーズをし、
その場で羽ばたくようなジャンプで
自分の体を百八十度回転させた。

着地と同じに揃えた足は
バランスを崩そうとするが、
綱渡りの要領で両手を広げ、
優里は頬を膨らませながら
踏ん張る。

「よし!」
二回目のガッツポーズをした。

「そうだ!
私タレント事務所に行くのよ。
よし!がんばるぞ!」
大島優里は力強く走り出した。



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