きみに守られて
南風が、
疑問に渦巻く暗い表情の
大島優里の髪を優しく撫でた。
風に靡いた幾本かの柔らかい髪が、
直ぐ後ろを付き添っていた
ユリツキの頬に、
微かな甘い香りを曖昧に運んだ。

(どうすればいいんだろう・・)


温かい日差しに
まだ冬服のセーラー服を着た
二人の女子高生が、
活発そうに腕まくりをして
お互いの肩を擦り、
ジャレ合うように通りすぎていった。
別世界の中の
別世界が存在する笑顔で
女子高生たちは存在していた。

気が狂いそうな環境の中で
残酷と平凡の幻影を二つ、
二人で、同時に眺めていた。

< 26 / 198 >

この作品をシェア

pagetop