きみに守られて
ユリツキは言う
「聞かなければよかったと思ったけど、
でも聞いたからぼくは君と一緒に
心を痛められる。
がんばろー!
元の世界戻ったら
沢山の人を感動させる人だから君は。
沢山の人が君の将来を待ってるよ」


クスっと笑う優里
「ん・・?何?なに?」

「そのかっこう可笑しいです、
服ボロボロー」

「ボロボロ?で、笑ったの?」

「はい!それに今ごろ気付いて、
言ってる私にも笑ちゃう」

「やっぱりこのままじゃまずいかなぁ?」
「は~い」

「どこかで服を調達するか」

「ドロボーですか?」

「生き残る第一手段だ」

「ドロボーだドロボーだ」

「じゃ行くから」
冷静な顔をして立ち去ろうとする。

「うそですよ、怒らないで下さい。
ごめんなさ~い」

彼女が自分の後を追ってくる。
自分が進む方向へと
何一つ疑いもなく素直に進んでくる。
それは、
ユリツキにとって初めての経験だった。


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