きみに守られて
笑いながら立ち上がり、
腕組みをしてユリツキを見下ろす。
「一緒にお風呂入ります?
うっそでーす。一人で入ってきまーす!
覗いたら絶交ですからね」

ユリツキは完全に
三歳年下の女の子に転がされていた。


彼女が深く眠りにつくの待った。
一刻も早く一人の空間が、必要であった。

現実離れした現実であるのだが、
それよりもユリツキは口が軽く、
喋り過ぎた一日であった。
どこか甘えた数時間を過ごしてしまった。

ユリツキというロボットを
操縦しているような今日であった。

ベッドの前にテーブルを立てるユリツキ。
眠る優里をおこさない為の光源遮断だ。

リモコンの電源を入れ音量(小)を押す。
テレビに食い入る。
深夜番組にも関わらず情勢は理解できた。

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