きみに守られて
『戦意』
三ヶ月の月日が流れ二人は
月十二万の2LDKアパートを借り、
それぞれの部屋が手に入っていた。

現金前払いで金さえあれば、
何事も自動販売機で
ジュースを買う程に容易だった。


あの倉庫街の警察官殺戮事件も犯人を特定できず、
証拠がないままに現場周辺に住んでいた大男で
怪力の者たちを
警察官らが容赦なく射殺して
一件落着していた。

社会は変わらず惨たらしく
動いている。

金集めと金使いが上手い者が国を動かす。
一票に幾ら金をだせるかで選挙が成されて、
東京で悪銭を稼ぎ
地元に落とす政治家が人気を集める。

長者番付一位の代議士が総理大臣になり、
資産と支持率が正比例していた。
金が底をつくと政府の支持率低下の要因を招き、
資産を維持できず金を使えない総理、政治家は、
それまでさんざん甘い汁をすってきた支持者や群集、
マスコミの手によって
公共の場に引きずり出され嬲り殺された。

中世の魔女裁判のように
生きたまま火あぶりになる者もいる。

学校教育は徹底され、幼稚園、保育所から
中学卒業まで電流刺激用首錠が強制される、
登校時に付けられ
下校時に外され
絶対の権限を任せれた教師に管理される。
< 74 / 198 >

この作品をシェア

pagetop