玩具。
はじまり
結胡ver

~まだ暑い昼休みの教室。~

「あんたも同じね。面白くない。」
私は付き合っていた裕夜にそう吐き捨てた。


 ―――――コソコソ―――――

「またやってるよ。3組の白石さん。」
「ほんとだぁ~。怖~い。」
「相手の男の子かわいそー」

いつものこと。
あまり私にはいい噂は無い。

男タラシ。

悪い先輩とつるんでる。

テストの時はカンニングをする。

援助交際をしている。

ヤンキー。

こんなものばかりだった。

「結胡~!またなにかしたの!?」

こんな私でも、心から大切だと思う友達が居た。

瀬戸 文香。

背が低く、目がとてもパッチリしている。
小さな唇で、ショートカットの子。
男に興味のない私でも羨ましいくらいの容姿。

「別に?何もしてないよ~」

「嘘!だってさっき声聞こえたんだから!
ほら、早く帰るよ!!」

そういって文香は私の手をとって廊下にでた。

「なんであんなこといったのぉ!」

「え?あたしが悪いの?」

「あんな言いかたしたら、誰だって結胡が悪いっておもうよ!」

こうやって文香は怒りつつも、いつも私の味方だった。

「え~・・・だってさぁ・・・・」

「いい?結胡は本当は凄い優しい子なの!
私の自慢の親友なの!
だから、みんなから悪い子なんて言われたくないの!」

凄く嬉しかった。
自慢の親友。
言われたとき、涙が出そうになった。
ありがとう。文香。
こんな私の味方で居てくれて。
自慢の親友といってくれて。


帰りに、文香と公園の自販機でオレンジジュースを買った。
それをブランコに座って飲んだ。
1時間半くらい、ずっと雑談をした。

この幸せがずっと続きますように____




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