玩具。
文香ver

3組で結胡の声が聞こえた。
とても胸にささる言葉。
私はすぐに持っていた本を机に置いて3組まで走った。
走っていくうちに、廊下にいる沢山の野次馬が目に入った。
中にはコソコソと結胡の悪口を言っている人さえもいる。

 ―――――コソコソ―――――
「またやってるよ。3組の白石さん。」
「ほんとだぁ~。怖~い。」
「相手の男の子かわいそー」

あんた達に結胡のなにが分かるっていうの?
あることないこと言って、どうしてそんなに平気なの?
この中に、結胡の噂も流した人もいるのかと考えると凄くムカツク。
でも、今はこんなことより、結胡を助けるほうが先だよね?
私は人と人の間を抜けて、やっと3組のクラスに入れた。
そして・・・

「結胡~!またなにかしたの!?」

結胡はすぐにこっちをこみてくれた。
この子は、この子だけは私の心から大切な親友。
傷つけるわけにはいかない。

白石 結胡。

綺麗な髪が起用に頭の上でお団子にされてある。
とても色が白くて細い。
背は普通なのにスカートからすらっと伸びる足がとても綺麗。

「別に?何もしてないよ~」

なにもないわけ無いでしょ?
あんな大声で叫んで・・・

「嘘!だってさっき声聞こえたんだから!
ほら、早く帰るよ!!」

私は結胡の手をとって廊下に出た。

「なんであんなこといったのぉ!」


「え?あたしが悪いの?」

違うよ?
結胡が悪いんじゃないの。
理由を言って欲しい。
相談して欲しいの。

「あんな言いかたしたら、誰だって結胡が悪いっておもうよ!」

知ってるよ?
結胡にどんなに辛い過去があるかちゃんとしってるよ?
でも、ごめんね?
こんな私を許してね。
いつまでも、結胡の味方だから。

「え~・・・だってさぁ・・・・」


「いい?結胡は本当は凄い優しい子なの!
私の自慢の親友なの!
だから、みんなから悪い子なんて言われたくないの!」

本当に、心からこう思った。
結胡は凄く優しい子。
あんな酷いことを言うこじゃない。
でも、結胡にはとても辛い過去があるんだよ。
私は絶対に結胡を1人にはさせないからね?
だから、私を信じて、もっと頼って・・・
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