ジュエリーボックスの中のあたし
「みさとといると本当に嫌な事忘れられるよ。俺の癒やしだよ。」



「あたしが山岸さんに癒されているんです。お客様なのにこんなに心許せるのはあなただけ。」



「みさとはほんとに口がうまいなあ。」なんて言いながらも、その言葉に山岸さんは嬉しそうに顔を赤らめた。



「いらっしゃいませ。」


ママと甘ったるい声が聞こえて新たに客が入ってきたのをなんとなく認識した。



もう山岸さんはベロベロに酔っている。これ以上はボトルを入れることはなさそう。



そう判断して今きた客が自分の客なら上手く席を立とうと思っていた時だった。



まわりのヘルプの子たちがざわめきたった。他のテーブルについてる子たちの視線も一点に集中している。



最近通ってくるイケメンの橘さんかな?と不意に振り返って息を飲んだ。


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