【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
言わんとしている事の意味がわからず、私はただ立ち尽くす。
鋭利な視線に、恐ろしさよりもただ、思考が真っ白になるだけだ。
くくっ、と隣から漏れ聞こえたのはサキの声。
「余裕ねぇなぁ」
誰に言うわけでもなかったのだろう。
ぼそりと呟いた言葉は、静かな生徒会室ゆえに、私の耳にだけは届いていた。
次にサキは声を張って、生徒会室中に聞こえる大きさで秋月会長へと話し掛けた。
「安心しろよ。
コイツが噂を気にしてっから、根源のコハルに訊きに来ただけだよ」
コイツ、のところで私のことを指差す。
私からサキへ視線を移した秋月会長は、
軽く眉をひそめた。
「……噂?」
そしてさもサキが悪い噂かなにかの出所であるかのような視線を送る。
「ああ。コイツが告ったってコハルから聞いたんだけど。
他にも誰か知ってんのかとか、どこまで知ってんのかって、コイツが気にしてっからさぁ。
手っ取り早く連れてきた」