【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「っつーわけで、ちゃっちゃと答えてやってよ」


サキがコハルくんを強く促すと、彼はがくっと肩を落として、恨めしそうにサキを見た。


「本人に言うとか、有り得ないでしょー。

っていうか僕、ただ『まるで告白みたいだった』って言っただけだし」


後半はぶちぶちとごちるように言って、

はぁ、とサキ目掛けてわざとらしく溜め息をついてから、のろのろと私に視線を向ける。



そして力無いながらも口角を上げて、無理に微笑んだ顔をつくって発した言葉には、私を安心させるような響きがまとわれていた。


「知ってるのはウチの奴らだけだよ。

ウチの連中、口は固いから大丈夫。

それにユキトが誰に告られたとか、覚える気ない奴らばっかだから」


最後部分でさらりとすごいことが言われたような気がするが、

そこは敢えて気にしないように、聞かなかったと自分に言い聞かせた。



ウチの奴らっていうのは、生徒会の面々の事だろうか。



えーと生徒会役員は、

会長、副会長、書記、会計、会計監査の5役。


秋月会長は多分知ってる……と思うし、

副会長は当人だし、

会計はコハルくんだから……


あとは書記と会計監査か。


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