【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


相乗効果で余計に腹が立って、私はずんずんと音がたちそうなくらい、勢いよく家路を辿った。


あまりに頭へ血がのぼっていたようで、玄関の鍵を開けるまでの事を全然覚えていない。



家に入っても全く腹立ちがおさまらないので、体自身が少しでも己を冷やそうと反射で動いたのか、

手が勝手に冷凍庫を開けていた。



こういうときに限ってアイスがない。


うちは年中アイスを入れておく家庭なのだが、たまたま食べきってしまっていたようだ。



財布に優しい箱アイスの、何故か箱だけが冷やされている。



誰が最後の一本を食べたのかわからないけど、箱だけが入ってるというシチュエーションは、

今の精神状態だと悪態しか出てこない。



でも無い物は仕方がないので、溜め息をついて扉を閉めた。



そのまま二階の自分の部屋へ上がり、私は苛ついたままベッドへとダイブした。


制服がシワになる、と頭の片隅で思ったけど、

投げ出した体は思った以上に怒りで疲れ、気を張ってたみたいで、

私はいつの間にか目を閉じていた。


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