【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
そんな視線で私の思考を止めようとしなくとも、
私は既にうすうす感じとっていた。
腕を引かれたことでハッキリした、とも言える。
何故毎朝私を迎えに来るのか。
私はずっと不思議に思っていた。
だけど、秋月会長が私を迎えに来たことで私がしなくなったことを考えれば、
自ずと答えに辿り着く。
秋月会長が来るようになってから私は、
正門を通らなくなった。
それは、挨拶する前を通らなくなったということ。
つまり。
あの日。
私がユキトさんに告白をした、あの次の日から。
私はユキトさんの前を、通っていない。
徒歩の私は、正門を必ずくぐるのが通常だし、
自転車でも、正門を通って自転車置き場へ向かうのが一般的だと思う。
しかし道路から直接、正門よりも校舎に近い自転車置き場へと入り、
そこから校舎へと向かえば、正門は通らなくて済む。
徒歩でしか通ったことのない私は、
その道を知っていても、使うという発想にはならず、
ユキトさんの前を、いつもと同じルートで通ってたに違いない。