【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
秋月会長はおそらく、一番最初にバイクで家へと送ってくれたあの時から、
正門の前を通らせまいとしてくれたんじゃないか、と。
そう思うのは自惚れだろうか。
ユキトさんに振られた女の子はもしかしてみんな、秋月会長がこうやってさり気なくフォローしてるんだろうか。
みんな。
みんな。
私だけじゃなくて。
そう考えたら、途端に胸がギュッと苦しくなった。
何故なのかは考えたくない。
考えちゃいけない。
止めた思考に連動するかのように、足も止まる。
惰性で数歩先に進んだ秋月会長が、ゆっくりと足を止めて振り返った。
どうした、とも、
どうかしたのか、とも、
何も言わない。
私が動くか言葉を発するかするのを、
ただただじっと見つめていた。