【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
腕は掴まれたまま。
ゆっくりと秋月会長の頭が動いたから、振り向くのかと思った。
でも完全には顔を向けず、頬が見える程度の角度。
いつもより更に低音域の声が、私の心臓を揺さぶり掴んだ。
「アイツと……どこで会った」
「え……?」
吐き捨てるような台詞に、まじまじと秋月会長を見つめた私。
一瞥もないまま舌打ちがなされた。
「来い」
周りにいる生徒が、見てみぬフリをしながらも、秋月会長と私を気にしている風だからなのか、
昇降口前から、無言で私を連れ出す。
人気のない校舎脇に引き込むと、私に向き合って、真正面から覗き込んだ。
眼鏡の奥に真剣な色をたたえた瞳が、じっと私を捉える。
息苦しくなるほどに、真摯な感情がぶつかってきて、
私は秋月会長から目が離せなかった。