【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
呟きが掠れて耳に届いたけど、またしても真意が読み取れない。苛立ちが募る。
一体どういう思考回路に当てはめれば、『知り合いか』という疑問に『なるほど』という言葉が出てくるのか。
秋月会長のことなんて理解したくもないけど、
こんなにもわけがわからないのも、それはそれで気になる。
でも私から乞うように更に疑問を投げるのも癪だから、
私は黙らざるを得なかった。
ただ何の気まぐれなのか、珍しく秋月会長から追加で補足が紡がれる。
「……風紀委員長」
ぶっきらぼうに告げられて、ようやく私は思い出した。
昨日、どこかで見たような笑顔だと思ったのは、朝の挨拶で見かけたからだったのか。
だけど、なぜ私の名前を知ってたんだろう。
もしかして、ユキトさんに告白をしたことが伝わってるんだろうか。
そんな私の思考を差し止めるかのように、
急に秋月会長が歩みを止めた。
そしてこちらを振り返りもせず、声を張る。
「おい」
私は秋月会長の背中を見た。