【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
折り悪しく、始業のチャイムが鳴る。
それでも彼女は私を解放する気はないようで、
じっと正面に私を捉えながら、返事を待っていた。
その真剣な表情に、私は考えてしまう。
乗ってたと言ったら、どうなるんだろう。
そもそも秋月会長と、目の前のクラスメイトは、どんな関係なんだろう。
彼女、とか。
もし彼女なら、バイクの後ろに乗った乗らないということは重要性を帯びてくる気がする。
でも彼女がいたら毎朝迎えには来ないよね普通。
ってことは片想いとか?
私は先ほどの反応と、必死に塞がれた息苦しさを思い出した。
──ありうる。
ここでヘタに肯定なんてしてしまえば、
学校を休んじゃうくらいのケガを、ケンカでしてしまうこの御方。
私なんて容易く病院送りに出来るんじゃなかろうか。
──非常にマズイ。
いっそ否定するか。
だけどもし万が一動かぬ証拠なんて持たれてた日には、
嘘がバレて病院送りになるんじゃなかろうか。
──非常にマズイ。