【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
答えようにも答えられない、とジェスチャーをしようとして、目の端に人影がチラリとうつりこんだ。
いつも移動を一緒にしている友人たちだ。
用意を終えて、まだ準備をしている私のところへと向かってきたのだろう。
チラリと一瞬だけ友人たちを見ると、
彼女たちは好奇心に目をらんらんと輝かせていた。
あの様子だと私がサキさんに口を押さえられているのが気になって仕方ないみたいだ。
私だって誰か友人がこんな状態になってたら、何があったんだろうと興味がそそられないわけじゃないけども。
助けようとは誰も思わないらしい。
私の視線を辿ったのか、サキ(呼び捨てで十分だ!……心の中だけ)が友人たちを見る。
顎で軽く“行け”という仕草をすると、友人たちは薄情にも、お愛想笑いをひきつらせながら私に手を振り、
教室から出て行ってしまった。
更にいつの間にかクラスメイトが誰もいなくなっている。
教室に残っているのは、口を押さえられて何度も浅く息をしている私と、こちらに向き直ったサキ。
彼女はそっと私の口から手を離し、そのかわり、逃さないとばかりに私の手首をガッチリと掴んで机上に固定した。