未来のない優しさ
もし目の前にベッドがあったら、すぐに潜り込んで眠るのに…。

あぁ…疲れた…。

はっきりしない頭を軽く振って、自分のデスクでコーヒーを飲みながら大きな溜息。

したくて忙しい仕事をこなすなら、ここまでの疲労感はないんだろうな。

生活のために感情を捨ててこなす私には、疲労感は増えてくばかり。

…いつまで続けられる?

体は悲鳴をあげて…

心ももういっぱいいっぱい…。

「川原、一旦家に帰るなら送るぞ」

あ…。

顔を上げると、私同様疲れてる大和くんが立っていた。

復旧作業中から、何か考えこんでいて、その辛そうな様子が気になってた…。

「うん…。着替えに戻るから帰らなきゃ。
送ってもらえる?」

そう言って立ち上がった瞬間、目の前が真っ白になって…周りが揺れて…私は意識を失った…。
< 155 / 433 >

この作品をシェア

pagetop