未来のない優しさ
どれだけの葛藤があったんだろう。
高校の後半二年間は、私の行方を探し続ける日々だったと美晴ちゃんから聞いていた。

私は沢山の理由を作って逃げ出して…。

単純な日々じゃなかったけど、リハビリと慣れない人間関係に四苦八苦しながら健吾を忘れようとしてた…。

きっと健吾の気持ちを汲む余裕なんてなくて。

毎日が必死だった。

「…熊本にいたって聞いた」

「うん…」

「何で消えた?
許せなかった?
…信じられなかった…?」

「ごめん…」

初めて踏み込まれた過去の領域。
再会してからも、体を重ねるようになっても、封印したままに目をそらしてた。

私の罪悪感と弱さをさらけ出すのがつらかった…。
事故に巻き込まれたのも、私の弱さのせいだから。
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