未来のない優しさ
「柚…」

「ん?」

頭上から聞こえる健吾の声に相槌をうちながらも
その胸から離れずいると…ホッとする。

錯覚かもしれないけれど
恋人同士っていう約束で
お互いに幸せだった若い頃のように、ホッとする。

「柚がちゃんと…ずっと俺の側にいるって安心させてくれ」

「え…?」

「どんなにつらいか…。

今まで傍で笑ってた柚が突然消えて。
大怪我してる体のままでふっといなくなって。

もう、手の届かない所には行かせないし…体を壊すような事も許さない」

恐ろしいくらいに言い切られた愛情と…哀しみ。

きっと、健吾の本心なんだ…。
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