未来のない優しさ

｢…健吾の気持ちは嬉しい。
私も健吾と一緒にいたいから。

健吾が望むだけ…一緒にいるから。

結婚にこだわらずに一緒にいるだけじゃだめかな｣

健吾を傷つけないように、私への気持ちを幸せに思ってる事を誤解されないように…ゆっくりと
呟いたけれど。

健吾は一瞬眉を上げただけで、

｢無理。結婚するから｣

即答。

｢私は…いつ体がどうなるか…。
無理しなきゃ大丈夫だけど、健吾を満足させる事のできる奥さんになれないかも…｣

｢それでもいい。
柚の体優先の毎日ならそれでいいから。

俺は…柚が俺のもんだっていう自信と権利を持って欲しいんだ。

誰のものかを悩んで欲しくない｣

｢自信と権利…｣

｢届け一枚の権利は思いからな…｣