未来のない優しさ
「狂っちゃえばいいじゃない。
一度狂った二人の人生なんだから、また狂ったってどうってことないし。

ただ。

柚ちゃんにとってのあなたはまだ…愛する人だけど、自分の弱さを振り返る悲しい存在でもあるから。

その気持ちを覆うくらいに愛してね」

頷く俺に、抜群の笑顔を向けた友美先生は

「結婚式には呼んでね」

まるで柚の母親のように見えた。
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