恋するために生まれた
「お疲れ〜」
「じゃあまた明日」
飲み会のあと、
なんだか飲み足りなくて
独身時代によく行ったバーに
立ち寄った。
結婚してから一人で飲みに行くことなんてなかった。
家で一人で待つ妻に
申し訳ないような気がして。
バーの扉を開けると
懐かしいマスターの顔。
「広瀬さん、久しぶり」
「久しぶり」
「結婚してから顔見せないね」
「あぁ、悪いね」
「気にするな。
家庭がうまくいってる証拠。
ジンでいいのかな?」
「あぁ、頼む」
「了解」
カウンターに腰かけ、
ふと横を見て
息が止まった。
――電車の君。
そう、
君がそこに、座っていたから。
「広瀬さん、どうかした?」
マスターの声にハッとする。
「いや…なんでもない」
平静を保ち、返事をする。
隣に座っていたのは
まぎれもなく
電車の君だった。
「こんばんは」
電車の君は
俺を見て挨拶をした。
そのことに驚いていると
君は微笑みながら言った。
「いつも電車で一緒ですよね?」
君のその言葉。
俺には意外で
ものすごく、嬉しかった…
君と
初めての接点をもった…
そんな気が、したんだ。
「じゃあまた明日」
飲み会のあと、
なんだか飲み足りなくて
独身時代によく行ったバーに
立ち寄った。
結婚してから一人で飲みに行くことなんてなかった。
家で一人で待つ妻に
申し訳ないような気がして。
バーの扉を開けると
懐かしいマスターの顔。
「広瀬さん、久しぶり」
「久しぶり」
「結婚してから顔見せないね」
「あぁ、悪いね」
「気にするな。
家庭がうまくいってる証拠。
ジンでいいのかな?」
「あぁ、頼む」
「了解」
カウンターに腰かけ、
ふと横を見て
息が止まった。
――電車の君。
そう、
君がそこに、座っていたから。
「広瀬さん、どうかした?」
マスターの声にハッとする。
「いや…なんでもない」
平静を保ち、返事をする。
隣に座っていたのは
まぎれもなく
電車の君だった。
「こんばんは」
電車の君は
俺を見て挨拶をした。
そのことに驚いていると
君は微笑みながら言った。
「いつも電車で一緒ですよね?」
君のその言葉。
俺には意外で
ものすごく、嬉しかった…
君と
初めての接点をもった…
そんな気が、したんだ。