恋するために生まれた
「私、ナオっていいます。
片桐ナオ」
「あ…広瀬です」
君は少し照れながら
俺に名刺を差し出した。
つられて俺も名刺を差し出す。
「なんだ、二人とも知り合い?」
マスターが冷やかすように言う。
「いつも電車で見かけるだけだよ」
なんだか恥ずかしくて
俺はそんな答え方をした。
実際にその通りだ。
電車の君は少し酔っているようだ。
「いつも同じ車両なんですね」
「え?」
「毎朝、見かけるから」
君を見つけてから、
毎朝同じ車両に乗っていた。
それは口が裂けても
言えないことだけど。
「君こそ」
「ナオ、でいーです」
「…ナオさんこそ」
「“さん”は、いらないです」
「・・・・・」
面白い子だ、と思った。
清楚で可憐な外見とは
ちょっと違う一面を見た気がして
俺は君に興味をもった。
そう、これは
単なる好奇心だと
この時は思っていたんだ。
片桐ナオ」
「あ…広瀬です」
君は少し照れながら
俺に名刺を差し出した。
つられて俺も名刺を差し出す。
「なんだ、二人とも知り合い?」
マスターが冷やかすように言う。
「いつも電車で見かけるだけだよ」
なんだか恥ずかしくて
俺はそんな答え方をした。
実際にその通りだ。
電車の君は少し酔っているようだ。
「いつも同じ車両なんですね」
「え?」
「毎朝、見かけるから」
君を見つけてから、
毎朝同じ車両に乗っていた。
それは口が裂けても
言えないことだけど。
「君こそ」
「ナオ、でいーです」
「…ナオさんこそ」
「“さん”は、いらないです」
「・・・・・」
面白い子だ、と思った。
清楚で可憐な外見とは
ちょっと違う一面を見た気がして
俺は君に興味をもった。
そう、これは
単なる好奇心だと
この時は思っていたんだ。