恋するために生まれた
いつものようにバーで飲み、
そのあとホテルに行った。


「ナオ…」

「何か話があるんでしょ?」


俺の声を遮るように
ナオははっきりと言った。


「今日のあなたは変だわ」

「実は…」

「いい話じゃ…ないのね」

「あぁ…実は…
 妻に子供が…できたんだ…」



言ってしまった。

自分がラクになりたいがために
言ってしまったんだ。



ナオは明るく

「おめでとう!」

と言った。

少しも傷ついてない、という風に。



「こうして会うのは…
 今日で最後にしましょう」

「ナオ…そうじゃないんだ」

「生まれてくる子のために」

「ナオ…」



いつまでも
続くはずはなかったんだ。
でも
もう少し
君と一緒にいたかった。
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