オフィスレディの裏の顔
私はもう1度花束の中をくまなく探した。
「あ!」

「見つけたか!?」

「見つけた!指輪!!」

「あーそうやー。」

リングが丸裸のまま、花束の間に差してあった。

「すごーい!こんなサプライズ、ドラマみたい!」

私はうれしくてよっちに抱きついた。

「喜んでくれてやりがいあるわー。どや?その指輪のデザイン。サイズ大丈夫だったかな。」

「よっち、つけてー。」

私は指輪をよっちに渡すと右手を差し出した。よっちに薬指にはめてもらった。

「ちょっと大きいか?」

「ううん、大丈夫!これ、ダイヤ?」

「あーそうや。プラチナや。」

「えー!!そんなに頑張ってくれたの??」

私は薬指にはまった指輪をまじまじと見つめた。ダイヤの形がハート型にだった。

「先週、これを1人で買いに行ったの?」

「あーそうやー。会社帰りにな。どうしてもサプライズにしたくってな。」

「興奮してまた熱が上がっちゃうよー。」

「おーそれはまずいなー。」

でもこの幸せのおかげといえば大袈裟だけど、次の日には熱がやっと下がり、よっちが予約していた以前2人で行った私のお気に入りの日航ホテルのレストランでクリスマスディナーをした。
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