オフィスレディの裏の顔
次の日、千野さんはすぐに部長とアポをとった。11時に会議室に呼ばれた。でもそこには部長と一瞬に高野リーダーもいた。

「お忙しいところ時間を頂き申し訳ございません。」

「いやいや、これも派遣営業の仕事でしょうから。」

「水沢の業務はいかがでしょうか。」

すると高野リーダーが口を割った。

「とてもしっかり働いてくれていて助かってますよ。」

なんて外面がいいんだろう!まさか私を誉めるとは思わなかった。これではまるで私が千野さんに嘘を言ってるみたいじゃない!

「水沢さんには是非長く働いて頂きたいと思っています。」

「そうですか。ありがとうございます。」

千野さんもすっかり安心した様子で笑っていて、今日の目的を忘れてるんじゃないかと思った。私が千野さんに目くばせをしたとき、わかってますとうなずいた感じがした。その後すぐに本題になった。

「先日、水沢がどなたかにスカートが短いと注意されたそうですが、服装のほうは問題ないでしょうか?」

どなたかって、高野リーダーとわかっているクセに!しかも質問聞き!これじゃぁ反論になってないじゃない!私は内心イラっとしていた。すると部長が、

「誰かに注意されたのかね?」

「は、はい・・・」

私は高野リーダーのほうをチラ見した。彼女は開き直った感じで、

「今日のような服装で問題ないと思いますよ。」

そう答えた。昨日も今日もスカートの丈は変わらないじゃない!私が言いかける前に千野さんが、

「そうですか。ではこれからも宜しくお願いします。」

と笑って答え事を荒立てる前に終わらせた。席に戻ってすぐに、高野リーダーは怒った顔で部屋を出て行った。
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