オフィスレディの裏の顔
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 OLの仕事は慣れるまで大変かなと思っていたけど、意外と毎日が退屈だった。アフター5の時間ももてあまし、かといって少ないお給料でできることは限られていた。以前のように高層タワー屋上のフィットネスクラブで優雅に富士山を眺めながらジャグジーにつかることも、エステに通うこともできない。けれど未だイベコンギャル、水商売を続けている友達との縁だけは継続させておいた。彼女たちと遊ぶのはすごく楽しいし刺激になる。中でもお姉様キャラの3つ年上の紀香さんにはとてもお世話になっていた。紀香さんのお父様は経営者でお金に不自由したことのないお嬢様育ち。大学院に通学中で頭もよく、容姿も端麗とうらやましい限り。紀香さんとは19歳の時にモデル事務所で出逢ってから、私の芸能界入りを応援してくれて色んな人脈を紹介してくれたり、2人で会うときは、お食事代もお買い物代も交通費までも出してくれていた。結局私はOLへの道を選び、彼女の気持ちをムダにしてしまった。その紀香さんから連絡があった。

「みすず~久しぶり!元気~??」

「久しぶりです!元気ですよー。」

「OLの仕事どお??」

「イマイチですぅ~。毎日夜暇なんですけど、遊んでくださーい。」

「ちょうどよかった!明日は時間ある?」

「わぁ~い。遊んでくれるんですかぁ?」

「お金もちの人に美味しいご飯ご馳走になるからいらっしゃい。8時に六本木、大丈夫?」

「大丈夫です!ご飯も最近質素だったのでうれしいです!!」

「じゃあ、明日ね。」

紀香さんからのお誘いはいつも突然だった。そして待ち合わせの場所につくと紀香さんの弾丸トークが始まった。

「久しぶり~。すっかり真面目ちゃんになっちゃって。OLちゃんみたいな服装じゃない?」

「だってOLですもん(笑)毎日退屈なんですよ~。でもクラブで働くにも年齢が・・・・」

「何言ってるの!みんな年齢ごまかして整形だってしてるんだから、美鈴はまだ素でいけるわよ~。今日はね、社長さんがいっぱいいるから、スポンサー見つけてさっさと退屈なOLなんてお辞めなさいね。」


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