オフィスレディの裏の顔
 先に渋谷に着いていたマリコと鶴見さんは、トイレを確認し吉田さんがいないことを確認済みだった。電話をしても出ないし家に帰って寝てるのだろうと言うことにして、私たち3人で少し遅いランチをした。私は昨日の事件を最初から語り、2人はただただ同情してくれた。話を聞いてもらってすっきりした私は、食後すぐ帰宅しまた寝入った。

 週が明けて、この事件は会社でさらに盛り上がりを見せた。少なくともただ巻き沿いをくらった人が3人もいるわけで、うち2人は吉田さんの部下である。私からは事件のことは何も語らずいたけど、喫煙室で周りから責められた吉田さんは、会社のメールで謝ってきた。

「ほんとごめんな。もうオレとメシ行きたくないかもしれんけど、迷惑かけたしまたご馳走させて。」

そんな内容だった。私は少し疲れてしまったので、社交辞令的な返事をして放置していた。それでもしつこくお礼させてと言ってくる吉田さんに、ついに私の小悪魔な性格が出てしまった。

「何かプレゼントしてくれるんだったらいいですよ。」

半分状態で言ったつもりだったけど、吉田さんは喜んでプレゼントさせてもらうわと言って、近々会社の帰りにデートをしようということになった。
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