STRAWBERRY




「待ってください!」

振り向いたその人は
綺麗な黒い髪
綺麗に通った鼻筋
細い目で…


素敵な人。

「…何ですか?」

思わず見とれて、
なんでここにいるかとか
なんで呼び止めたのかとか
全部忘れてしまった。

「あっ、リード…
 このリード違いますか?
 落ちてましたよ。」

微笑んで差し出す。

「僕のリードです、
 ありがとう!」

そう言って
笑った。

「あ、もしかして…
 碧ヶ丘中かな?」


「あっ、はい!」


何で知ってるんだろ?


「僕次出番だから急ぐけど、
 終わったら話せるかな?」


学校的には、
もう解散してるし…

「大丈夫ですよ」


大丈夫だよね。


「じゃあ、後で。」


「はい、頑張って下さい!」


私が言うと
「うん」とだけいって
走っていってしまった。


ホールに入ると
まだ始まってなかった


「良かったあ」


「全然良くないよ?日鞠ちゃん?」


「…!…捺架あ〜」


「探したんだからね?
 ほらもう始まるから。」


探してくれたんだ…

ありがと、捺架
ごめんね。


席に着くと
虹葉高校の演奏が始まった。


「〜♪〜」


ん?

サックスだあ!


「〜♪〜♪〜♪〜」


ステージには…






























あの人がいた。




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