【禁断の恋】赤い嘘【完】

赤い嘘

「おかえりなさい」


「ただいま。遅くなってごめんね?」


「ううん。気にしないで?」


20時過ぎに帰宅した父と母を笑顔で出迎える。


「星矢は?」


「分かんない。部屋にいるんじゃない?」


私は首を傾げ、あたかも知らないように振る舞う。


「そうか。あ!今日はお土産があるんだ。姫の好きなケーキだぞ!」


さっきまで星矢の部屋で愛し合っていたことなど何も知らない父は自慢げに鼻を鳴らした。


両親に吐いた嘘はこれからも増え続ける。


「ホントに?早く食べよ?」


私はニコッと笑い、両親とともにリビングに向かった。
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