【禁断の恋】赤い嘘【完】
「姫、おはよう!」


4人掛けのテーブルを占領し新聞片手にトーストを頬張るテンションの高い父の横を、呆れた表情で通り過ぎながら私は洗面所へと向かった。


洗面所の前に着き、扉を開けた瞬間、何かが勢い良くぶつかった。 


「痛………っ!」


顔に感じる強烈な痛み。


鼻を押さえ痛みに顔を歪めている私の頭上から、低く僅かに擦れた冷たい声がした。 
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