お家に帰ろう。
空気も読まずに、哲司は続ける。


「なーんだ。合コンのセッティングしてもらおうと思ってたのになぁ。」

「あのさぁ、はーちゃんに付く男の影を心配してる親の前で、あんたは何を言ってるわけ?」

「あ。」

「違うのよ!コソコソされるとね…反対なんかしないんだから、話してくれればいいのになあってね…」

「そうっすよね〜。やっぱ頼むよ明〜、合コン。」

「…あたしまだ、あんまり友達いないもん。」

「だったらコレをきっかけにさ、友達づくりに声掛けてみろって!可愛い子!」

「必死かよ。」

「あら、いーじゃない。友達の幅も広がるし。」

「テツの友達ったって、おな中メンバーでしょ?あたしには何のメリットも無いから!」

「そん時はもちろん、明担当用意しますよ〜。」

「…あたしオーダー細かいよ。」

「まかせろ!いー奴がいるんだよ!背が高くてバスケやってて、顔は…俺の方が良いかな!」

「いーじゃない、明ちゃん!」

「…ふーん。」

「明にはユルイんだね、弥生さん。」

「あら、てっちゃんのことを信頼してんのよ!」

「あ〜!任せてくださいよぉ!」

「でも担当は別の男なんだろ?」

「それはホントすんません。」

「…てっちゃん、なんでそんなに明ちゃんを拒むの?」

「んー。…妹みたいっつーか…?」

「…兄貴は二人いらないかな〜あたし。」
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