お家に帰ろう。
そして、将人と哲司は帰っていった。


その、ほんの少しの間の帰り道のこと…


「さっきの話さぁ…」

「なんだっけ?」

「おまえ、明じゃなかったの?」

「…ガキん頃の話だよソレ。」

「そーなんだ。」

「それに俺、フラレてるし。」

「ん?」

「忘れもしない、中1の夏。」

「お!あやしいな。」

「なにかと一緒にいたから周りにヒヤかされてさぁ!そしたらアイツなんて言ったと思う?」

「なに?」

「“ごめん、てっちゃん。他に良い子みつけてね!”ってさ!」

「あはは。で、みつかった?」

「まあ、何人かとつきあったよ。」

「でも、うまくいかなかったと。」

「明のせいでじゃないよ〜ん。」

「ホントのところはどうなのよん?」

「どうって…わかんね!だいたい俺、告ってねーし!ただ、そん時から気になることがあんだよ。…好きな奴って誰なんだろう?みたいな。」

「…」

「やだなぁ。マサ君、父親みたいだよ。大丈夫!ピカイチなの紹介するから!」

「そーゆーんじゃなくて。おまえらのこと、ちっちゃい頃から見てたから、違う奴と居るとこって想像できねーなーと思ってさ!」

「確かに。でもソレも見てみたい。」

「いいんだ?」

「つか俺、男と思われてねーし。」

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