お家に帰ろう。
「あぁ、イッチーじゃないよ。」

「聞いてないって。」

「聞きたそうな顔して」

「ナイから!」

「そ?」

「そう!つか、大丈夫なの?その相手。」

「…ガキじゃねんだからさぁ。」

「だって!」

「もしかしたら運命の赤い人かもしんないし。」

「それを言うなら糸ね。」

「それそれ。別にどーでもいーわ。」


哲司はソファーにもたれて伸びをした。


「…」

「ん?」

「なんでも無い。(あらら?これはもしや?)」


そんな哲司の心理を勝手に読み解く明も、心なしか、色んな意味で安心したようで…


「あとつける?」

「バカじゃねーの。」

とか、からかいつつ、

「そーですか!」


しばらくして、録画していた番組が終わると、

「じゃあ俺、帰るわ。」

「あーい。じゃあねー。」


リビングを出て行く哲司を、笑いを堪えて見送るのだった。


「あ、心配なら友達に聞いとくけど…デート内容。」

「んー、いいや!(それはあんたなんじゃないの?)あたしは(心配じゃないし)ね!」

「あ、そ。じゃっ!」

「ハイハイ。」

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