お家に帰ろう。
ある日曜日のこと………

――ピンポ〜ン!――

将人のアパートのチャイムが鳴った。


「はい?」

「あ、テツだけど。」

「はあ?!」

「ちょっと良いかな?」

「あ、あー。ちょっと待て。」


慌てた様子で、Τシャツを手にドアを開ける将人。


「寝てたの?」

哲司が聞くと

「ああ。昨日…遅かったから…ゴロゴロしてた。」


そのΤシャツを着ながら答える将人は、

「つーかさ、来る前に電話しろよぉ。」

と靴を履いた。

「え?なに?」

「あぁ。部屋散らかっててさ、角を曲がる手前にコーヒーショップがあんだわ」

「え、いーよ別に散らかってても。」

「いやーマジで…臭いかも!」

「…その格好でいーの?」

「すぐそこだから。」

「じゃあ…行こ。」

「あぁ!」

「何?」

「携帯!取ってくる。」


将人が短い廊下の先に姿を消した時、中に誰かが居ると感付いた哲司は、

「ごめんね!あまりにも天気が良くてさぁ、バイクながしてたら来てたんだよ…ここに!」


中にいる誰かさんにも聞こえるように言い訳をした。

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