お家に帰ろう。
「…」

「ねー、どーして別れちゃったの?前から聞きたかったんだけど喧嘩でもした?どっちから振ったわけ?」


答える間もなく質問する遥。


「さぁねー。」

「あー、明がフラレたんだぁ!」

「ん…」


返す言葉に困っているかのように見える明に、

「明は、テツの立場も考えて何も言わないんだよ。めったに告られないおまえみたいのが、自慢気にペラペラ話すのとは訳が違うんだよ。」

無表情で将人が助言する。


「なによー!」

「調子にのるなって事!」

そこへ、

「てっちゃんとその友達は大丈夫なのかしら?」

「あ…」

母もアドバイスに入ってきた。


「そのせいで、あんたとだって気まずくなったりしたら、あんただってつまんないでしょ?」


ムスっとした遥に、

「そう言えば、てっちゃん最近見ないわよねぇ。」

さらに追い撃ちをかける母に、

(そーでも無いみたいだよ。)

と、よっぽど言ってやりたい明だった。

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