お家に帰ろう。
「合コンでね、」

「あー、例の?」

「でも、つきあってないから。」

「え〜!だって、ベッタリだったって言ってたよ〜!」

「あのさぁ!!」


ペットボトルをしまった扉を、力いっぱい閉じた明は言った。


「…テツには言わないでくれるかなぁ!」

「……どして?」

「そのときは多分…彼が直接報告したいと思うから…親友として。」

「あー。なるほどね!」

「ホントまだ、そーゆんじゃないし、あたし達…ちょっと、色々あってさ…」

「ふ〜ん。なんか良く分かんないけど、了解。」

「ありがと。」

「ねぇ!上手くいくとイーね!」

「あ、う、うん。」


“今が幸せ”と、言わんばかりの遥の心のこもった言葉と、満面の笑みだった。


そして、いつしか自分にも、
こんな笑顔をふりまける日がくることに、期待する明ではあったが、

なにしろ、この姉妹
夢見る乙女と言うか、なんと言うか……

男心や性質には、とんと疎い二人なのだった。

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