お家に帰ろう。
待ち合わせして、
街を肩並べ歩いて、
店の中を見て回り、
プリクラの枚数も増えた。


それは誰から見ても、
付き合っているように見えていたはず。



「へー。例のえっちゃんと?つきあうことになったの?」

「まあな。」

「で?」

「だから、デートしよ。」

「え?」

「俺らと!」

「俺ら?」

「ん。俺らとおまえらで、遊び行こうって、あいつが。」

「あー。」


こうして、遊園地でのダブルデートが決まった。



「はじめまして!」


えっちゃんは、ハキハキとした、元気いっぱいの女の子だった。


「バスケ部なんですか。」

「うん。」

「あたし前に、観に行ったことあるんですよ。」

「知ってる。あの時は気になって気になって、応援どころじゃなかったから!」

「!」

「そしたら市川の彼女だって、あとから聞いてビックリしちゃって〜!」

「え?」

「あ、ごめんね。でも市川って、ぼーっとしてるじゃん!“いつの間に?!”って、皆も驚いてたんだよ!」


そのとき市川は、明が戸惑っていることを察知した。

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