彼岸花の咲く頃に
けど…。

そんな威圧感と殺気を感じながらも、俺は彼女の『尻尾』に注目していた。

黒い毛に覆われた、長く太い尻尾。

この野狐の尻から伸びている尻尾は、三本。

三尾の狐。

姫羅木さんには四本の尻尾があった。

確か、化け狐の強さは尻尾の数で決まる筈。

となると、三本の尾を持つこの野狐よりも、四本の尻尾を持つ姫羅木さんの方が強い…!

「あら、私を前に余所見なんていけない子ね?」

野狐が薄く笑った。

口端が釣り上がり、牙が大きく露出する。

「少しお仕置きしないと駄目かしら?」

彼女は一歩前に出た。

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