彼岸花の咲く頃に
野狐の中でも人に危害を与える、位の高い妖狐。

それらの化け狐は悪狐と呼ばれる。

人を食らい、謀り、人心を惑わし、国を滅ぼす。

悪狐は邪悪の象徴であり、人間の敵である。

「成程のぅ…千春の前では『アッコ』と名乗っておったか。賢しい女狐じゃ」

「女狐女狐言うんじゃないよ、お前だってそうだろうが、クソ女が」

気分を害したと言わんばかりに、悪狐は嫌悪を剥き出しにする。

そんな彼女に。

「口の悪い狐じゃ」

姫羅木さんは一足飛びに飛びかかった!

速い!

そして鋭い動き!

只の人間でしかない俺から見れば、その動きは必殺の一撃でしかない。

しかし。

「!!!!?」

その一撃を、姫羅木さんは簡単に反撃で吹き飛ばされる。

「口ほどにもないね」

そう言って嘲笑う悪狐。

その尻からは、更に六本の尻尾が伸びている。

合計九本の尾が、悪狐の背後で揺れていた…。


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