彼岸花の咲く頃に
吹き飛ばされた姫羅木さんはキョトンとする。

吹き飛ばした悪狐はニィッと笑う。

俺は愕然と立ちすくむ。

「九尾の…狐…?」

そう。

俺の前に立っているのは、紛れもなく九本尻尾の化け狐。

妖怪や化け物に疎い人ですらその名を耳にした事があるであろう、大妖怪『九尾の狐』だった。

「尻尾の数で勝っていると、優越感に浸らせてしまってごめんなさいね?」

憎らしいまでの余裕を見せ付け、悪狐は姫羅木さんを嘲笑った。

「でもねクソ女。化け狐なら覚えておきなさい?はじめから尻尾を全て見せておく物じゃないわよ?人間だって、奥の手は隠す。真の実力は見せないものよ?」

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