丸腰デパート・イケメン保安課
本当に主任が好きなんだ…大切なんだね。

すごいね、主任。


あんなにめちゃくちゃやって、無法者で、直感や思い付きで周りを振り回す、傍若無人をそのまま人型にした様だけど…それでも本気で心配して、思って考えて、必死で動いてくれる人達がいるんだね?


私に、主任を嫌いにならないで…なんて言うんだよ?

聞かせてあげたいよ、主任に。


結婚は別だけど…私、嫌いじゃないよ?
主任の事。

嫌いにはならないよ?

こんなに必死になる人達に守られてる主任を。
羨ましいくらいだよ。


更科さん…あの人は、主任の何を知ってるんだろう。
主任…深刻な顔してた。


「家紋さん」

呼びかけに、家紋さんは顔を上げた。
私は息を飲む。

「刑事時代の主任に、何があったんですか?何を引きずっているんですか?」

知りたい…知りたい理由はわからない。

でも何か、いつもテンション高い主任に、あんな顔されるのは嫌だ。

「聞きますか?」
家紋さんの笑みに、私は無言でうなづいた。

「明記しておきますが、桜田さんに何かをしてもらおうと言う他意はありませんからね」
「分かってます」

みんなはそういう人じゃないもん。
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