いつまでも...未緒side【短編】
振りかえると、哀しそうな顔で笑うお母さんが立っていた。


見上げていたはずのお母さん。

気付いたら目線がかわらなくなっていた。


「あたしね、ガンなんだって。子宮ガン。」

「う、そだ…」

「こんな嘘ついてどうすんのよ。…もう長くないみたい。」


何も言えなくなった。

わからない。


…死ぬの?


「…ご飯、食べる?」

無理した笑顔で問いかけてくるお母さんに、あたしはただ頷くだけ。


久々にお母さんが作ってくれたもの食べる気がする。
ただのチャーハンだけど、凄く懐かしかった。


「未緒、今身長何センチなの?随分と伸びたんじゃない?」

「158センチ…」

「え!あたしとほとんど変わらないじゃない。通りでねぇ。」


久々の会話は、あたしの頭には全然入ってこない。


「…未緒?」

「ん?」

「…ごめんね。」


ふと、手をとめてお母さんに謝られた。

「…なにが」

「ほったらかしにしたりしてて。」

「…っ」

「会社にね、素敵な人が居たの。再婚も考えるくらい。」

< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop