小悪魔な幼なじみ

挟み撃ち





「あー…寒っ」


冷たい風が吹き付ける。

ただ今、11月後半。


ついこの間まで外に出れば容赦ない日差しに照りつけられて汗をかいていたというのに

もう冬が目の前だ。


と、いうかもう冬…?



「今日、席替えじゃん」

隣にいる廉は寒さなんて感じていない様子。

まさか制服の中に着込んでる…?



「そうだね。

もし席が選べるとしたら廉はどの席がいい?」


ちなみに今日も一緒に登校してます。

まあもうこの時間も完璧に生活の一部だしね。



「そんなの決まってるじゃん。


音無から遠くて、雫の隣の席がいい。」


「はぁ?なんであたしの隣?

さんざん一緒にいるんだからもう十分でしょ?」


いい加減、廉から離してよ。

もうその顔、見飽きたんだけど。



「いいだろ、別に。

今年も雫の隣にならずに終わるなんてイヤだし」


廉は少しふて腐れた顔。


実は小学校から廉と隣同士の席になったことがない。

何回かクラスは同じになっても、

席が隣になったことは1度もない。


なんて縁なんだろう、

って自分でも思う。






< 159 / 215 >

この作品をシェア

pagetop