秘密の誘惑
「出来たーっ!」


思わずカップに落ちたコーヒーを見て萌はにっこり笑顔になった。


トレーにコーヒーカップを置く。


千波の所でコーヒーを飲んだ時にディーンはブラックを飲んでいた事を思い出したので砂糖とミルクは持って行かないことにした。



「お待たせいたしました」


机の邪魔にならない所にカップを置くと、ディーンはありがとうと言って手を伸ばした。


口に入れた瞬間、ディーンは吐き出しそうになった。


どうしたらこんなにまずいコーヒーを入れられるんだ?


笑顔だった萌の顔がすぐさま心配げになる。


「やっぱり・・・おいしく・・ないと・・か?」


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