秘密の誘惑
裕美のいる隣の部屋へ戻るには勇気が必要だった。


隣の部屋でディーンにキスをした事でうしろめたい。



口紅も剥げ落ちてしまっているから何をしていたのかきっと分かってしまう。



萌はディーンに退室の意味で頭をペコッと下げると戻った。



隣の部屋ではパソコンに向かっている裕美がドアが開いた瞬間に視線を萌に動かした。



「何をしていたの?遅いじゃない!」


いらいらとした言葉を浴びせられて萌はビクッと肩を震わせた。



「す、すみません・・・エスプレッソの機会の調子が――」



謝りの言葉を口にした時、萌の背後のドアが開いた。



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