秘密の誘惑
「社員名簿を見てはいけないのならそれしかないな」


表情がころころと良く変わる萌を見ていると楽しい。


「絶対にだめです　あたしの名前を言ってはダメですからね」


支社長があたしの事を探しているなんて噂がたったら社の全員の女性の敵になっちゃう。


「わかった　なんとか探し出して見せる　それに今度あった時は名前を呼んでくれないか？」


笑顔を向けられて萌は言葉に詰まった。


本当に支社長は分かっているのだろうか？


笑顔の裏には何かがあるような気がする。



そこへケーキとコーヒーのセットを持って来た日菜と千波が戻ってきた。


「ディーン、萌は綺麗だろう？」


千波が聞くとディーンは頷く。


仕方なしにという感じではなくごく自然に。


「うちの人事も目が高いな」


そう言ってディーンはコーヒーを飲んだ。



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