秘密の誘惑
目頭が熱くなる。



涙が出てきそうで萌は急いで目を閉じた。



「萌?」



「もう・・・寝ます・・・」



「Ah good night.」


ディーンは萌の額に口づけを落とすと寝室を出て行った。



ディーンが行ってしまうと萌は寝返りを打った。



タマラの言葉が脳裏を離れない。



そしてディーンの言葉も。



ディーンは子供が欲しくてあたしと結婚するんだ・・・。


愛されて結婚するわけではない・・・。



胃がきりきりと痛み、手で擦っているうちに眠りに落ちて行った。



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