秘密の誘惑

帰国

いつもどおりに目覚めたディーンは隣に眠る萌を見た。



薬が効いたようで寝室に戻って来た時には萌はぐっすり眠っていた。



夜中にも目を覚ましていないはずだ。



萌を起こさないようにベッドから抜け出すとシャワールームへと向かった。



＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊



いつもどおりにビジネススーツを着たディーンはダイニングでカーティスの用意した朝食を食べ終え寝室に戻った。



ベッドに腰をかけると萌を呼ぶ。



「萌」



ディーンの言葉に反応して萌の目蓋はパチリと開いた。



「おはよう」



屈みこみ萌の唇の端に軽くキスを落とす。



「お・・・はよう・・・」



「胃はまだ傷むかい？良くないようだったら病院へ連れて行くようにカーティスに言っておくよ」



「大丈夫ですっ　痛くないから」



カーティスさんに連れて行ってもらわなくても・・・・・・。



「本当に？」



「はい」



まだ勘ぐるような目で萌を見ていたが、寝室のドアがノックされてディーンはしぶしぶ立ち上がった。



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